FC2ブログ

中将棋の進化について(7)          三島のトド

 この内容は、ギャンブリング&ゲーミング学会誌第2号(2005.9)に発表したものに基づいているが、一部修正を加えた。

7、 偶数路盤と奇数路盤の変換は日本で起きたか
 8X8から9X9への変換は、中国で起きたと考えられる。しかし、中将棋は12X12の偶数路盤であり、他の日本将棋は奇数路盤であるところから、中将棋を日本将棋の進化体系に位置付けようとすると、偶数路盤・奇数路盤の変換を少なくとも1回は仮定する必要がある。例えば、平安大将棋-現行大将棋-中将棋という流れであっても、平安大将棋-中将棋―現行大将棋という流れであっても、日本において、奇数路盤から偶数路盤の変化が起きたことになる。しかも、どちらの場合にも、飛龍・角行といった走り駒が配置されてからの変換になる。偶数路盤と奇数路盤の変換は、小駒しかない平安将棋の時代ならありえたであろうが、飛龍が配置された平安大将棋あるいはその後の大型化による引き分け防止の時点では、かなり問題が生じたと思われる。中将棋や現行大将棋のように、走り駒の種類が多くなった場合には、ゲームとしての本質に影響が少ないのではないか という考え方もありえるが、中将棋を指してみても、早い段階で走り駒の交換が進むと、小駒の繰り出しのみに頼ることになり、ゲームとして面白くなくなることが実感される。言い換えれば、奇数路盤と偶数路盤の変更は、それほど頻繁に起こったとは考えにくいものがある。
 このように考えてくると、中将棋は偶数路盤の将棋から進化してきたと考えるべきであろう。8X8のチャトランガ・マークルック系のゲームから、10X10あるいは12X12の原中将棋(仮称)を経て進化してきたと考えられ、9X9の将棋から進化してきたと考えられる平安大将棋、現行大将棋の系統とは異なった系統であると考えられる。異なった系統であると考えれば、上述したような成駒の問題も解決するのではないだろうか。すなわち、偶数路盤の将棋(中将棋系)では、(ある時点から)すべての駒が異なった種類の成駒になり、奇数路盤の将棋(現行将棋系)では小駒が成るとすべて金将になるということである。
 二中歴に記されている平安将棋は8X8であったか、9X9であったか 不明である。しかし、中国から渡来してきた9X9の将棋と、東南アジア経由で渡来してきた8X8の将棋が並存していたことは十分に可能性があり、同根のゲームとして、互いに交流しながら、大型化改良の道を歩んだと考えることが出来る。生物学等、他の分野でも知られていることであるが、近縁で異なった系統のものが並存することにより、進化速度が早まる。こうして、独自の進化を遂げたのが、日本の将棋ではないかと考えている。(続く)
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

8×9の盤

疑問について同感ですが、2種の平安将棋の伝来説以外の考えもあります。
私の考えは次の通りです。
①中国から8×9(横縦)の平安将棋が伝来、庶民に流行
②貴族の中で、より高級な(中国的な)平安大将棋(13×13)が創られる。
③平安大将棋の影響で、寺院で平安将棋の改良が試みられる。
9×9の盤に酔象の駒が追加される。①のタイプと並行して遊ばれる。
④平安大将棋が「普通唱導集大将棋」(飛車が最強)に発展し、流行する。
⑤中将棋が創案される。
普通唱導集大将棋の飛車は金成りで裏が金であった。これから、金将の飛車成りへと進み、歩兵以外の駒の独自成りが整備される。酔象の太子成りも考えられる。金成りの制限がなくなり獅子・奔王といった強力な駒が増える。①のタイプの将棋はこのころ消滅。

No title

コメントありがとうございました。8X9の伝来はシャンチー盤からのお考えだと思いますが、縦横の路数が異なる将棋類似ゲームはほとんどないと思います。再使用や成り駒については、私の意見も含め、ほとんど証拠がないので、推測の範囲を出ません。
FC2カウンター
最新記事
最新コメント
プロフィール

FC2USER398459FNN

Author:FC2USER398459FNN
中将棋連盟ブログです
ルールや棋譜、過去の大会結果などは公式HP「日本中将棋連盟」のほうをご覧ください。
ここでは、行事のお知らせ、やさしい詰中将棋、歴史のお話、その他を、数人で分担。
少しずつ更新させていただく予定です。
よろしくお願いいたします。

カテゴリ
月別アーカイブ
最新トラックバック
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示