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中将棋の進化について(6)          三島のトド

 この内容は、ギャンブリング&ゲーミング学会誌第2号(2005.9)に発表したものに基づいているが、一部修正を加えた。

6、偶数路盤と奇数路盤の違い
 将棋の原型と考えられているチャトランガ(インド)を初め、マークルック(タイ)やチェスも8X8の偶数路盤であり、奇数路盤の将棋類似ゲームは極東に限られている。偶数路盤から奇数路盤への移行は、中国で起きたと考えられている。象戯は8X8の盤であるが、交点に駒を置くことによって9X9の盤(河界があるので、実際には9X10)となっている。駒の交点置きについては、囲碁からの影響ではないかという見解が出されているが、統一見解に至ってはいない。チャンギ(韓国)も9X10であるが、これは中国からの影響と考えるのが妥当であろう。
 日本に関しては、最初に渡来した将棋が8X8であったか、9X9であったか 不明である。日本への渡来が中国経由と考えれば9X9、東南アジア経由と考えれば8X8となる可能性が強い。日本への渡来将棋については意見が分かれており、平安将棋も8X8と9X9の両方の意見がある(増川宏一 将棋の駒はなぜ40枚か 集英社新書、将棋の起源 平凡社、木村義徳 持駒使用の謎 日本将棋連盟 等)。
 世界の将棋類似ゲームを概観してみると、極東を除くすべての地域で偶数路盤である(例外として、中近東の大型シャトランジの中に、横に突き出した城と呼ばれるマスを持つ11X11のものが見られる。岡野 伸 世界の将棋 改訂版)。ビッグチェスにおいても、偶数路盤のまま、大型化しているケースがほとんどである。また、日本における大型将棋を見ても、中将棋を除いて、すべてが奇数路盤である。偶数路盤にせよ、奇数路盤にせよ、元の将棋に左右に一駒ずつ増やせば、元の盤から2行増えたことになり、偶数・奇数は変化しない。すなわち、最も一般的と考えられる大型化改良方法では、偶数路盤将棋は偶数路盤のまま、奇数路盤将棋は奇数路盤のまま進化すると考えられる。
 偶数路盤と奇数路盤の変換は、ゲームにどのような効果をもたらすのであろうか。平安将棋のように、小駒がほとんどで持駒不使用のゲームでは、駒は一マスずつ進むことになり、8マスから9マスに変わっても本質的な変化はないと思われる。飯田による、持駒不使用の平安将棋の終盤をテーマとしたコンピューター解析でも、8X8、8X9、9X9の差はそれほどない(飯田弘之 遊戯史研究 11号)。一つの可能性として、奇数路盤では、間に1マスを挟んですべての行の歩兵が同じ列で向かい合うことになり、仕掛けにくくなるが、偶数路盤では、互いに位を取る行ができるため、仕掛けやすいという考え方がある(且代晃一 詰棋めいと、木村義徳 持駒使用の謎に引用されたもの)。しかし、木村が述べているように、どちらの場合にも手詰まりになりやすく、ゲームとしての性質にはあまり差がない(木村義徳 持駒使用の謎 日本将棋連盟)。
ただ、大型化によって引き分けを減らそうとすると、奇数路盤と偶数路盤では状況が少し異なる。それは、角行等の斜めの走り駒の配置である。大型将棋あるいはビッグチェス等に見られるように、左右対称に配置すると、奇数路盤では利き筋が同一になるが、偶数路盤では異なった効き筋になる。序盤において、効き筋が限定されてしまえば、約半数のマス目で角行に取られる心配をする必要がなくなり、中将棋で言えば、獅子の運用がかなり楽になる。(続く)
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天竺大将棋

お節介ですが、
「日本における大型将棋を見ても、中将棋を除いて、すべてが奇数路盤である。」

「天竺大将棋」は中将棋を発展させた物だと思います。諸象戯圖式に記載があり、16×16です。なお、表紙には天竺象戯として縦横各十七間という誤った記述があります。

また、すでに別のところでコメントを書きましたが、シャンチーの9×10(横縦)はマス目としては、8×9で、私は平安将棋の盤は8×9だったと思います。
さらに、持駒不使用では木村先生の研究のようにすぐ手詰まりになります。私は当初から持ち駒使用だったと思います。

No title

コメントありがとうございました。天竺大将棋は16X16でしたか。言われるように、中将棋系列のものと考えることができるかもしれませんね。
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